飼い主さんへのインタビュー1
飼い主さんへのインタビュー1
取材班のKです。今回は、忠犬ハチ公で有名な犬種「秋田犬(あきたいぬ)」を飼われているNさんにお話を伺いました。
秋田犬のイメージといえば渋谷駅の銅像?ずっと飼い主を待ち続けた犬?聞いたことはあるけどどんな犬かはよく知らない、そんな方も多いのではないでしょうか。
まず始めに、秋田犬についてご紹介いたしましょう。
1、秋田犬について
秋田犬(あきたいぬ)
日本犬種の中で唯一の大型犬種で、天然記念物に指定されています。
祖先に狩猟犬や闘犬の遺伝子をもつため、子犬のころからしっかりとしたしつけやコミュニケーションをとることが大事。信頼関係を築くことが出来れば、素晴らしいパートナーになれます。
原産:秋田県
性格:誠実、沈着、聡明、忠実、頑固、勇敢
寿命:10~12歳
体重:オスは30~40㎏、メスは25~30㎏
体高:オスは64~80㎝、メスは58~70㎝
同じようなサイズの犬種は、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバー、バーニーズ・マウンテン・ドッグなど。立ち上がると成人女性を超えるくらいにもなるそうです。
Nさん家の秋田犬「いちか」ちゃんは、生後9ヶ月の女の子です。
白と黒の胡麻のような体毛に、虎のような柄がとっても可愛いですね。
人が大好きで人見知りもあまりなく、中でもおじ様が大好きなようです。他のわんちゃんに対してはちょっぴり犬見知りしちゃうらしく、柴距離ならぬ秋田距離を保ってもらえないと引いてしまうのだそう。特に洋犬(ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーなど)は、犬にも懐っこく距離の詰め方もグイグイ来るため苦手なようです。
私たちも海外の人たちのようなフレンドリーさや、距離の縮め方をされると馴染みがなくてびっくりしちゃいますよね。犬社会も人間社会と似ているのだなぁ、と面白い発見をしました。
3月にお迎えした時点で既に柴犬サイズだったらしく、1か月に4㎏のペースで成長を続けています。現在は体重25㎏とハスキーくらいの大きさになり、大型犬の成長スピードに驚いているそうです。
また、日本犬種は抜け毛が多いのも特徴。定期的にブラッシングしているそうです。
~大好きなのは「おいも」~
性格は、とっても食いしん坊。お家で採れるサツマイモが大好物で、「おいも」と言うと涎を垂らしながらニコニコ寄って来てくれるのだそう。
ある日、何かが落ちる音が聞こえたNさんは何事かと振り返ると、そこには大量のよだれを床にパタパタと落としているいちかちゃんが居たそうです。
音が聞こえる程の大粒なよだれとは、どんな美味しい物をイメージしていたのでしょうか?とっても想像力豊かで可愛いエピソードでした。
2、飼育するきっかけ
いつかは大型犬を飼ってみたいと思っていたところ、先住犬が亡くなってから具体的に考え始めたそうです。生活環境として番犬が欲しいこと、自身のこと、また家族の協力が得られる今しか飼えないなと思い決断に至ったそうです。 憧れる犬種はあるものの実現が難しかったらしく、どの犬種にしようかと悩んでいた所たまたま出会ったのが秋田犬保存会だったそうです。そこではブリーダーさんと接する機会があったり、秋田犬の譲渡や、性格・飼育方法、ポジティブ・ネガティブな面など様々なお話を聞く事ができたのが大きく、秋田犬に決めたそうです。
~誰もがやりがちなドライブ失敗談~
お迎えした時は、車で片道40分ほどのドライブになったそうですが、いちかちゃんがキョロキョロと窓の外を見たりするのを自由にさせていたところ物凄く車に酔ってしまい、辿り着いた時には「私の尊厳は失われました…」と言いたげな表情で、とても印象的な初日だったそうです。その時の失敗をバネに、次回以降はNさんかお母さんがいちかちゃんを支えるようにし、短距離移動は酔わなくなったそうです。
3、お迎えしてから大変だったこと
毎日の体調管理は、大切なわんちゃんを守るために大事ですね。普段、Nさんが気を付けているポイントを教えてくれました。
〇食事や水の量
Nさん「1日当たりの食事量は300gで、それを2回に分けて与えています。多過ぎると吐き出してしまいますが、少ないと栄養が足りなくなってしまうため注意が必要です。
大型犬とはいえ物凄い量を食べるわけではなく、1日のタンパク質量が足りていれば十分なんです。フードに含まれるタンパク質量を見て、食事管理を行っています。わんちゃんの体質に合わせて、与える量やフードを変えたりしてみるのもいいかもしれません。」
〇散歩
Nさん「わんちゃんの体調にもよりますが、1日1.5km~4km、長くて5km程を朝晩に分けて2回行っています。狩猟犬だったこともあり運動量が必要になるのですが、いちかちゃんの場合は途中で飽きるか疲れてしまうからか、よく散歩拒否をします。
道に犬が落ちている、とはこのことか。道路の真ん中で転がろうとした時は物凄く焦りました。危ない場所やどうしてもの場合は、抱きかかえて歩き、暫くすると自分から歩くようになりますが…もうほぼ米1俵分ほどの重さがあるので大変です。」
題名「道に落ちている犬」
〇しつけ
Nさん「月に2回程、しつけ教室に通っています。1回1時間ほどの教室でパピークラスに入っているのですが、体のどこを触っても大丈夫なようにする練習や、じっと座っていられるような練習を行っています。
ここでは「噛む」事は一切禁止で、甘噛みもしてはいけません。まだまだ噛む事に関して訓練中なので、訓練以外の日常生活だけでも常に青あざや傷が絶えません…。
そういう側面もあり、いざという時に私が抑えられるようにするためにも、このしつけ教室に通っています。また、そこでは他のわんちゃんと一緒に授業を受けられるので、犬の社会化にも繋がると思っています。」
~賢いが故に?!~
しつけ教室では、きちんと言われたことを実行できるいちかちゃん。 しかし帰ってきてからは一変、まったく言う事を聞かなくなるのだそう。 「しつけ教室では従ってやったが家では知らぬ」いちかちゃんは状況に応じて世を渡る、物凄く賢いわんちゃんでした…! また、構いすぎてしまう事もあまり良くないと聞き、台所へ来ては何かおねだりをするいちかちゃんを無視していたところ、静かだなぁと振り返ったらドヤ顔でトイレ以外でおしっこをしていたりと、なんともいたずらっ子な面も。 分かっていてやっているような行動と、自身のしつけに関する力不足もあってか、とっても悔しいNさん。もはやしつけはNさんの修行のようになってきました。 まだまだ、いちかちゃんとNさんの戦いは始まったばかり…… でも、Nさんのわんこ愛があれば、きっと乗り越えられると思います!
4、最後に
大型犬をお迎えして、一番の驚きは「力の強さ」だそうです。見た目は立派な成犬ですが、まだまだ気持ちは子犬な、いちかちゃん。本人は遊びたくてじゃれたつもりが、相手にとっては噛まれたと思うくらいの力強さだったり、くっきりと青あざが付いてしまうこともしばしば…(実際に大型犬が人に怪我をさせたという話も多々お聞きするようで、噛みどころが悪いと後遺症が残る可能性も…)
遊んでくれる気の合う子が見つかったとしても、相手が小型犬だとNさんは気が気じゃないそう。その点が小型、中型犬を飼っていた時には気付かなかったことだと仰っています。
基本的に穏やかなわんちゃんが多い大型犬種ですが、体格が大きい分パワーも桁違いになってきます。普段からのしつけやコミュニケーションをしっかり行い、ペット保険などに入る事も必要であるとNさん。家族に迎えるならば、その犬種への理解を深めてしっかりと向き合う事が必要だと分かりました。
このサイト制作を通してわんちゃんを家族にお迎えすることの楽しさ、犬飼いさんとわんちゃんの楽しそうな姿を見て私も興味深々だったのですが、改めて気付かせてもらった取材となりました。ありがとうございました!